【入校者必見】防衛大学校の個別面接・集団討議対策 | 面接対策って何すればいいの?

入校準備

こんにちは。もう少しで防大の推薦・総合選抜が始まるなぁとしみじみ思うソローク学生です。72期生はどんな人たちが入ってくるかが楽しみです。今回はそんな防衛大学校の入試では必ず行われる面接や推薦入試で行われるディスカッション(集団討議)の対策方法について紹介していきます。防大に入りたいという方は最後まで読んでくださるとうれしいです。

とりあえず地本に行きましょう

面接・ディスカッション対策をしたいならまず初めに地本(自衛隊地方協力本部)に行きましょう。この一言に尽きます。下記の記事で地本に関しては詳しく書いていますが、地本とは自衛隊に入りたい人の強力なサポーターの事です。自衛隊に入ることに関しては市中のハローワークより圧倒的に詳しく、支援の幅も手厚いです。なので、地本に行ったことが無いまたは私の最新の体験談に興味があるという人はぜひ今回の記事を読んでください。

個別面接に関して

個別面接の質問は例年同じような物であり、地本が情報を集めています。つまり地本に行っている方はその過去問や予想問題を手に入れています。そのため皆さんは予想される質問を知り、対策しておくことが求められるんですね。以降紹介するような内容が問われるので回答やそれに伴ったストーリラインを考えていつでも答えられるようにしておいてください。また数が多くて紹介できない質問は紹介した質問とまとめて一番下のPDFファイルに記してあります。是非ダウンロードして移動の最中の一問一答に使えたらと思っています。

防衛大学校の知識や志望動機

防衛大学校に関する知識や志望動機・経緯が聞かれます。また、特に志望動機や経緯は関連する部分が多いので一個前の質問に関連して質問されることがあります。そのため志望動機に関してはストーリー全体で語れるようにしておきましょう。よく聞かれる質問は以下のようになります。

  • 防大の生活で知っていることは何か?
  • 防大の三本柱は?(教育・訓練、校友会活動、学生舎生活)
  • 防衛大学校の設立目的は?(自衛隊の幹部となるものの教育・訓練)
  • 防衛大学校で学べるものは?
  • なぜ防衛大学校を志望したのか
  • 防衛大学校をどこで知り、どのような経緯で受験したのか
  • 防衛大学校の魅力は何か?

入校後の希望や抱負

防衛大学校は幹部を育成する場所なので、面接のような公的な場面では崇高な意思を持っていることをアピールする必要があります。もしそこまで崇高な使命を持っていなかったとしても嘘とは言わずとも少し誇張して質問に答えましょう。また抱負は志望動機と重なるところがあるのでそれに絡めて理由などが答えられるとなおよいかと思います。具体的な質問は以下のようになります。

  • 防大に入校したら何をしたいのか、何が出来ると思うか
  • 勉強してみたい分野・専攻は何か(防衛大学校には人社系3分野、理工系11分野の専攻があります。調べて入りたい専攻を選んでおいてください。)
  • 陸・海・空の要員に区分される時期は知っているか 希望はあるか(2学年になるときに要員が決定されます)
  • 希望する要員から外れたらどうするのか
  • 希望する要員の活動で知っていることはあるか
  • やってみたい校友会(クラブ活動)は何か
  • 防大での生活で一つ信条にするなら何か

卒業後の進路や働き方について

先ほども申し上げたように防衛大学校は幹部を育成するための機関なので卒業後は幹部自衛官になる事が求められます。私の知り合いの同期や上級生には卒業したら民間に行くと言っている人もいましたがこういったことを面接でいうのはあまり好ましくありません。そのため前向きな回答を用意しましょう。質問は以下のようになります。

  • 自衛官として何年くらい勤務したいと考えているか
  • 防衛大学校を卒業すると幹部自衛官として任官するか
  • 幹部自衛官は転職が多いが、転職が多いことについてどのように考えるか
  • 実家から離れて勤務することに、個人的または家族にとって不都合はないか
  • 家族は防大を受験することについて賛成ですか
  • 家族はあなたが自衛官という職業を選択するについてどのように考えているか
  • 家族はあなたがどのような性格だと考えているか

他の進路(併願状況)

ほかの進路・志望順位等を聞かれることがありますが、ぶっちゃけ正解は分かりません。正直に答えるもよし、外面を取り繕うのもよしだと個人的には考えています。質問は以下の通りです。

  • 他の進路はどのように考えているか・第一志望はどこか
  • なぜ、第一志望が防衛大学校なのか(なぜ、○○大学が第一志望なのか)
  • 防衛大学校とほかの進路の両方に合格した場合はどうするのか
  • 防衛大学校の試験に落ちたらどうするのか

高校(それに準ずる教育機関)での生活について

高校生活でしてきた勉学、部活動、委員会活動等での活動内容が防大に生きる内容かどうかといったことが評価されます。私の場合は地本の方に「この内容は自分の経験やそこから得たもののストーリーラインを作っておくとよい」と教えていただきました。そうすることでストーリラインを覚えておけば回答する際にその一部分を切り抜くことで済みます。具体的なストーリーラインを一つ上げます。

「私は高校生のころ学級委員をしていました。黒板を消す作業は日直の仕事であるのにもかかわらず、学級委員初期のころ消えていない黒板を見ると私が消すようにしていました。しかしその行為は組織全体としてみれば機能していないといわざるを得ず、私は黒板を消すことではなく日直に黒板を消すように促しました。ここで私は組織を運営するにあたって自分自身が作業をするのみではなく仕事を仲間や部下に分けていくことの大切さを理解しました。このことは自衛隊の幹部になった後に自分の部隊を運営していくにあたり生かすことが出来ると考えています。」といった感じです。

  • あなたの高校の特徴は何ですか
  • 学校生活や部活で学んだことは何ですか
  • 好きな・嫌いな教科は何か それはなぜか どうやったら克服できるか
  • 体力維持で続けていることは何か
  • 部活で一番つらかったことは何か
  • 部活で能力の高いものを指導できたか 従わせることが出来たか
  • 高校時代に特に印象に残っている思い出はあるか

集団生活や指導力に関して

集団生活や指導力に関する質問は将来幹部自衛官として自衛隊内で活動していくことが出来るかという問題を判断する上で重要な意味を持ちます。この問題関連のストーリラインも作っておくとよいでしょう。質問は以下のようになります。

  • 集団生活の経験はあるか
  • 集団生活に自信はあるか またそれを送る上で大切なことはなにか
  • 人間関係で悩んだことはあるか
  • 気の合わないものと同室になってもやっていけるか
  • 団体生活における自由と規律についてどう考えるか
  • グループの中では人についていくほうか、リーダーシップをとるほうか
  • 上下関係が厳しい防衛大学校でやっていけるか
  • 友人が防衛大学校での生活で耐えられないといったとき君はどうフォローするか

時事問題

自衛隊が対応することになる緊急事態は自衛隊の外側で起こるものがほとんどです。そういったことに対処するためには日ごろから世間のことを知っておく必要があります。そのため時事問題に関する質問がくることもあるので、備えておきましょう。質問は以下の通りです。

  • 最近関心を持っている国内または国外の時事問題はあるか
  • それらの問題について具体的に知っていることはあるか
  • それらの問題についてどのような考えを持っているか
  • 最近の自衛隊の活動について知っていることはあるか

その他自分自身の事や自衛隊に関して

自分自身のことに関しては必ず聞かれると思われますので、ストーリラインを作り上げておきましょう。本当にその他の予想できない質問が来る可能性があるのでその際は落ち着いて対処していきましょう。答えることが出来ないのならが時間をもらったり「分かりません」と答えるのも一つの手です。質問は以下の通りです。

  • あなたの長所と短所はなにか
  • 短所で失敗したことはあるか それはどのように克服できるか
  • 一分以内で自己PRをしなさい
  • 趣味・特技は何か
  • 最近読んだ本で印象に残っているものはなにか またその感想は
  • これだけは他の人よりも頑張ったというものは何か
  • 幹部と普通の自衛官の違いは何か なぜ幹部自衛官を目指すのか
  • 自衛隊の任務は何か
  • 自衛隊が海外に派遣されることに関してどう思うか
  • 自衛隊と民間企業の違いは何か
  • 戦争やテロについてどう思うか
  • 防大生の任官拒否について知っているか それについてどう思うか
  • あなたから見て防大生に足りないものは何か

前に行われた集団討議に関して

私の場合、ディスカッションの後に面接がありました。面接の試験は集団討議の試験官と同じ方で、集団討議に関する質問もいくつか飛んできました。質問は以下の二つでした。

  • 先ほどの集団討議に関して思うところを自由に述べよ
  • 先ほどの集団討議で自分の役職を果たせていたか 改善すべき点はどこか

ディスカッション(集団討議)に関して

ディスカッションに関しては実際に経験して問題点を修正してくことが一番の成功への道のりだと思いますが、経験したことが無くてもある程度立ち向かうことが出来るコツをお教えします。そのコツとは以下の二つです。

ディスカッションのセオリー(一般的な流れ)を知る

おそらくあなたが本番のディスカッションに参加するとき、周りは地本でディスカッションの練習を経験している方が多いと思います。彼らはディスカッションにおけるセオリーを知っていてその通りにディスカッションは進行していきます。そのため地本に行っていない人にとってはセオリーを知ることが議論についていく鍵となるのです。私の知る限り以下の六つの段階を踏んでディスカッションは進行していきます。

最初の5分は議題が書かれた紙が配られ、議論の内容を予想し組み立てる

まずは椅子に座り議題がかかれた紙を受け取った後(私の時はクリップボードがついていました)に五分間、静かに与えられた議題について考える時間があります。その際は私語が禁止され与えられた議題のみに集中することになります。この時に考えることはこの五分間が終わった後どのように議論を進めていくかです。議論は後述するセオリー通りに進んでいくのでそのセオリーにどのように当てはめていくかを考えていきます。

議長、書記、タイムキーパーを決定する

ディスカッションはまずこの議論からスタートします。議長はその議論において核となる人物で、次に話しますが最初に決めた枠組み通りに議論を進めるために活動します。書記は議論の記録をすべて取り議論を振り返る際などに活躍します。タイムキーパーは限られた時間(約45分)で最初に決めた枠組みに沿って議論が進むように時間を測ります。ここで大事なのは役職を手に入れた人間が必ず高評価というわけでは無いという点です。議長や書記は負担が大きい分スムーズに進めることが出来れば高評価ではあるものの失敗すれば低い評価つながることがあります。一方で役職を持っていなくても議論をサポートすることで高評価につながります。私の場合は面接・ディスカッションのグループは常に一緒に行動しており、その際に役職を決めておくことで議論をスムーズに進めることが出来ました。私のグループには議長が得意という人間が二人いたので議題を聞いた後に議題に適した議長を選んでいました(”はい”か”いいえ”を選ぶような二者択一の議題ならAさん、たくさんある選択肢の中から答えを選ぶ議題ならBさんといった形です)。

議題で使われている言葉の認識を統一する

議題で使われている言葉は各人によってとらえ方が異なったり、あいまいなものがあります。そういった言葉をグループの共通した認識に昇格しましょう。(割と忘れがちだったりします)

議論の枠組みを皆で共有する

最初の五分間で考えた議論の枠組みを皆で共有し議論の方向性を決めていきましょう。ただしこの方向性を決める際に時間を使いすぎると本題に時間をかけることが出来なくなるので足を引っ張りあわないように気を付けてください。議論の枠組みは議題によって大きく異なりますが一つの具体例を挙げます。例えば議題が『最近では社会全体でのAIの活用が大きく進んでいるが、学生が宿題をするにあたってAIを使うことにどう思うか』だったとします。一例として以下のような議論になるかと思います。

  • まずはセオリー通りに議長、書記、タイムキーパーを決定(30s)
  • 言葉の認識を統一します おそらく以下の認識を統一する必要があります
    「どう思うか」という問いに対し最終的に賛成・反対の結論を出す
    「学生」というのはどの学生を指すのか ・・・・①
    (小学生から大学生など学生の種類は沢山ある 議論で場合分けして考えてもよい)
    「宿題」というのはどの宿題を指すのか ・・・・②
    (計算問題から作文まで宿題の種類もたくさんある 議論で場合分けして考えてもよい)
  • 言葉の認識を統一したのち議論の流れを決める(認識統一と合わせて4m30s)
    今回の場合は①と②の場合分けを起点にして話し合う事にします 
    その場合分けのメリット・デメリットを比較して話し合う事にします
    (この議題だと言葉の認識統一と議論の流れ決定が同時進行になる可能性が高い)
  • 以降の議論に必要な場合分けした事項のメリット・デメリットを各自考える(10min)
    (以下の表を埋める形になります)
小学生(計算ドリル)小学生(作文)高校生(数学問題集)高校生(レポート)
メリット
デメリット
  • その後、各分類ずつメリット・デメリットを出し合いこの分類でのAIの使用について決定する
    ただし、その分類の中でもさらに場合分けが発生した場合はさらに細分化して結論を出す
    (全部合わせて25min)
  • 最後のまとめ・振り返り兼猶予時間(5min)
    慣習的に議論の終わりに2分ほど一人ずつ今回の議論のまとめや議論について思ったことを発表するよう言われることがあります。その発表に備えて議論のコアをおさらいし、資料を共有したりまとめます。

先ほど決めた枠組みの通りに議論を進める

言葉で言うのは簡単ですが、ここが一番難しい場所です。それこそうまく議論を回せるか、予定通りにいかなかったらうまく予定を修正できるかといった議長の能力が求められます。またその補佐をする書記やタイムキーパーの実力だけでなく役職持ちでない人間が議論に参加していけるかどうかといった積極性がカギになります。

議論の後に一人二分ずつこの議論の内容について話す(もしあれば)

ここでは先ほど議論した内容や感想などを一人二分ずつで発表するように言われることがあります。その際は単純に感想を述べるだけでなく役職持ちであるならば自分がその役割を果たせたかといったことに絡めた発言をしていきましょう。もし役職持ちでなかったとしてもいかに自分が議論に参加したかなどを積極的にアピールする機会になります。

社会問題などを知り日ごろからその問題について考える

私の知る限りでは議題はAIに関するものや、食品ロス、自動運転など社会の問題を反映したものが含まれています。そのため常日頃から日本内外のニュースを取り入れて問題のポピュラーな答えを頭に入れておくと議論の時にアイデアが出しやすくなります。例えば食品ロスなんかはフードバンクの仕組みを知っていれば議論のしやすさが大きく変わります。私の場合だと、議題は社会問題が来るのかと思っていたら『コミュニケーション能力を上げるにはどうしたらいいか』という全く異なるもので平常心がかき乱されました。こんなこともあるのでどんな議題が来ても大丈夫なように心を保っておきましょう。

まとめ

最初にも述べましたが面接・ディスカッションの対策をするならば地本に行くことが最善の手段です。是非ともお近くの地本へ行ってみてください。ですがまあ、私の個人的な経験なんかも皆さんの試験に生きることがあると思います。そうであると願いながら今回は記事を閉じさせていただきます。何か質問・要望等あればこちらからお願いいたします。ではまた次の記事で

事後の行動にかかれ 分かれ

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