【防大に行きたいなら必ず読んで】パワハラ・隠蔽を受けていた話 | 私が防大を辞めた理由

サイトについて

令和6年3月25日、市ヶ谷にある防衛省にて私のパワハラに関する報告書を手に入れましたので皆さんにこれを共有したいと思います。この記事は72期生にとっても大切な情報になりますので本当は手に入れてすぐにでも公開したいと思っていました。しかし私の身の安全のために遅れて公開させていただきました。大変申し訳ございません。2025年以降に入校される方の参考になれば幸いです。

防衛大学校の「パワハラ」

そもそもですが防衛大学校におけるパワハラと一般社会におけるパワハラは異なりますので、こちらの説明を先にいたします。端的に申し上げますと防衛大学校においてパワハラはパワハラではありません。

そう防衛大学校において一般的にパワハラとして扱われるものの一部はパワハラではないのです。例えば一般企業にて廊下を全力で吹いている部下に対して「もっと早くしろよ‼︎」と怒鳴りつけたり(過大な要求)金庫の鍵を勝手に開けたら(個の侵害)一発でパワハラになりますが防衛大学校ではパワハラとして扱われません。今回私が話すパワハラはそんな防衛大学校でもパワハラとして扱われるものです。主に上級生から受けていたものと同級生から受けていたものです。

上級生からの「パワハラ」

概要

防衛大学校では2230が消灯時間でそれ以降は基本的に寝室で明日の0600まで睡眠をとります。私の小隊の上級生(ロバさんと呼称します 名前は適当です)は2230以降にも私の寝室に入ってきて私に対してパワハラを行いました。具体的な指導の文言は私のプレスが甘い、着こなしが甘い、短靴の磨きが甘いという話でした。しかし内容には「ゴミが」「クズが」「防衛大やめろよ」といったことが含まれ、そういった言葉を私に怒鳴りつけていました。また私はその間ずっと不動の姿勢(気をつけ)を取らされ、並々でない精神的・肉体的苦痛を強いられたわけです。またロバさんはロッカーを叩きつけて威嚇したり襟を掴み上げて顔をすぐ近くまで持ってくる(いわゆる0距離指導)といったことも行なっていました。

こういったことが0000近くまで行われていた日もあって非常に大変な日々を過ごしていました。これが一週間続きました。一週間で終わったのではなく一週間で私が終わらせました。

これが脱柵ですね

報告書について

最初に申し上げた通り令和6年3月25日に防衛省でこの事件に関する事故報告書を受領しました。報告者、当該学生(ロバさん)、被指導学生(私)の名前はプライバシーの観点から白塗りにいたしました。他の黒塗りは全て防衛省が行ったものです。

同期からの「パワハラ」

概要

ここから先は公的な報告書が無い話です
理由は後述します

驚かれるかと思いますが私は寝室同部屋の同期からもパワハラを受けていました。私の大体では一学年は一学年のみで構成された寝室で寝起きしていました。同期から受けたパワハラの内容は暴言・暴力でこの寝室のメンバーから受けたものです。基本的に消灯後に行われ暴行は分かりやすく、腹を殴られたりほおを平手打ちされたりといったことです。暴言は「障がい者は防衛大学校にいるんじゃなくてお菓子でも作ってろよ」と言われるといったことですね。

同期同部屋の問題点

どうやら今年から一学年のみの寝室を導入していたようで、退職する前の大隊主席指導教官との話でこれの良し悪しについて問われました。教官は佐官で私の学生という身分とは天と地の差がありますが気さくに話してくださって話しやすい方でした。その際の私の回答をそのまま記します。

もちろん上級生がいない環境というのは一学年にとってリラックスしやすのかなとは思いますが、逆に一学年同士で何か起きてしまうのではないかなと思います。

なので、もし(一学年のみの寝室を続行)するするのならば部屋対番みたいなのを用意してあげるといいのかなと思います。今いる普通の対番に加えて寝室における2学年の対番を作るみたいな。そしたら一学年も昔の全学年混合よりリラックスできると思いますし、部屋対番がいれば問題も発生しにくくなると思います。

私は今でもこういった対策をすべきだと思っています。

なぜこれの報告書がないのか | 小隊指導教官・中隊の隠蔽

先ほどの上級生によるパワハラに関しては報告書が作成されていますが、同期によるパワハラは報告書が作成されていません。なぜならこの話は隠蔽されたからです。

私は脱柵して防衛大学校に戻ってきた後にこの話を私の小隊指導教官にすると彼からは「この話を報告する? 報告すると調査が必要になって防衛大学校やめるのが遅くなっちゃうけど」という返答が帰ってきました。おそらく彼はこの話が発覚してしまうと彼の評価が下がってしまうためこういったことを言ったのではないかと勝手に邪推しています。私が再び防衛大学校の寮生活から出るには病気休暇の取得が必要(何か問題がある生徒は精神異常で隔離または自宅療養させるのが慣例)であり、彼に逆らうと防大を止めるどころか寮生活に逆もどりになる羽目になります。また病気休暇を取得するためには医務室に行く必要がありこれには小隊指導教官の許可が必要になります。当時私は一刻も早く防衛大学校から逃れたかったためこの話は彼と私の秘密にすることとしましたが、未来の防大生のことを思うと報告をあげておくべきだったなと今頃後悔しています。

また、私が暴行をしてきた学生に話を聞くと「中隊全体で(調査に対して)この話は言わないようにしてくれてる」だそうですよ。中隊でも隠蔽があります。本当に防衛大学校に行きたいですか?

小隊指導教官を経由した私からの報告が挙げられず、中隊全体からも報告が上がらないとなればその事件は無かったことになります。

私が思う事

自分の弱さがつらい

私の経歴を今回の事件の面から紹介するとちょっと上級生と同級生から胸倉をつかまれて暴言を吐かれ殴られただけで逃げ出した情けない男という風になってしまいます。退校した直後はこれに関して非常に落ち込みました。着校する前日の私に私が受けたことを伝えてもそんなの幹部になるための登竜門だろと鼻で笑うと思います。

ですが最近これに関しては気にすることもなくなりました。防衛大学校ではそもそも慣れない寮生活をする上に普段から体と精神が追い込まれます。そんな状態で上記のようなことをされたら壊れるのなんて当たり前です。そう思うと割と心が楽になりました。

いろいろなものを奪われて辛い

私は今回の件でいろいろなものを奪われました簡単な物から行くと職と給料です。次に私の名誉、時間さらには夢と希望まで奪われました。比較的裕福な家なので給料なんかはどうでもいいですが夢と希望が奪われるのは相当つらいことです。これを打ち砕かれると人間何のために生きてるかがわからなくなりただのヒトとなり果てます。中高でいろいろなことに興味関心を寄せて幹部自衛官の道を選び努力してきました。今は正直何のために何をしたらいいかがよくわかりません。

こんだけ散々奪われた私ですが防衛省からは何のわびも補償もありません。また報告書もほとんど黒塗りであり私に対する誠意はあるのだろうかという疑問を隠さずにはいられません。

環境の改善を

環境の改善は常に求めます

風のうわさによるとロバさんはもう一度4年生をやり直すこととなったようですが、末端を処分するだけで終わって欲しくないと思っています。指導教官の監視体制の強化や報告システムの導入とその教育などパワハラが起きない、起きたとしてもすぐに報告し対処できるような体制を整えてほしく思います。

小隊指導教官へ 申し訳ございませんでした

以前教官とお会いした際このサイトを知っているご様子でしたので大変失礼ながら教官への思いを綴らさせていただきます

同期からのパワハラは一年以上前の話ですが防衛大学校・防衛省では公になっているものではありませんでした。しかしながら今回は私の独断で未来の学生を思いこのサイトで公表いたしました。ある程度の時間が経過したのでこの公表で教官が懲戒処分をもらう事は無いかと思いますが、少なからずご迷惑をおかけしてしまうのは紛れもない事実だと思います。こちらの点に関しては大変申し訳なく思っております。

大変申し訳ございませんでした

わびを直接入れない無礼もお許しください。決して教官が嫌いだとか憎んでいるといったことではありません。教官からはいろいろなことを教わった上に、私が消灯後も起きて歯磨きしている所を見逃していただいた恩もあります。もちろん守るべき大切な愛する人々がいることも重々承知しております。今回の公表は未来の学生たちに必要な仕方ない処置であることをご理解ください。

もしあなたが防衛大生になったら

一学年の間

一学年の間は基本的に発言権が無いため耐えることしかできません。しかしパワハラを受けたかなと思ったら指導教官に積極的に相談することは出来ます。同じ小隊の指導教官でなくても構いません。指導教官でめちゃくちゃ入室要領に厳しいという人はいなかった(私の中隊では)ので、いつでも各フロア一つある中隊指導教官室の部屋をノックしてください。上級生が「気軽に指導教官室に行くな」、同期が「同期間ならパワハラにはならないから」と言っていても気にしないで大丈夫です。指導教官室へ前進です。

二学年カッター以降

もしあなたが一学年を耐え、二学年になることができたならばパワハラに対して広い選択肢があります。隣で自分の同期や上級生が一学年に対してパワハラをしていたら、介入し止めてあげてください。もし指導しているのが上級生でその場で介入できなかったとしても不慣れな一学年の代わりに指導教官に報告する等できることはいくらでもあります。しっかりと一学年のことをサポートしてあげてください。

まとめ

73期以降に入校予定の皆さん、防衛大学校ではまだまだこのようなことが起きる可能性があります。進路をしっかりと考えてください。72期の皆さん、こんな防衛大学校ですが全力で耐えてください。71期たちへ、あなたの同期にはこんな風に防大を去った人間がいるという事を胸に刻んで周りのパワハラを止めてあげてください。

とまぁこんなふうに話しましたが、防衛大学校側もパワハラにだいぶ厳しくなっているようです。私の中隊でもパワハラは滅多にあるものではありませんでした。私が防大を去った後にパワハラに関する宣誓書なんかも書かせたみたいですしね。今回は私が防衛大学校で受けたパワハラについてお話ししました。身近に防衛大学校や自衛隊を志望する方がいれば、このサイトを教えてあげてください。何か質問・要望等ありましたらこちらからお願いします。では次の記事で

事後の行動にかかれ わかれ

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