こんにちは。最近読者様からのメッセージがいただけて嬉しくなっているソローク学生です。突然ですが防衛大学校への入校間近に控えている皆さんにとって一番不安なことは何でしょうか。「親元を離れてやっていけるか心配」「授業の内容についていけるのかな」という疑問ももちろんあるでしょう。しかし、「厳しいと名高い防衛大学校でやっていけるか不安」というものが大きな疑問だと思います。私も入校前にはそのような事を常に思っていました。
そんな皆さんに朗報です。なんとこのソローク学生は防衛大学校で常に意識すべきことを一番知っているといっても過言ではありません。なぜなら私は中隊の一年生(高校のクラスのようなもの)の中で一番キャパシティ(物事を処理する能力)が低い生徒で私は中隊の一年生の中で一番失敗した学生といえます。つまり防衛大学校で必要なことを最も意識的に吸収した人間です。
今回はそんな私が失敗談とともに防衛大学校で生活していくうえで気を付けるべきこと5選を紹介していきます。
分からないことは何度も聞こう
防衛大学校の生活ではわからないことが満載です。それは入校初日からずっと続きます。しかし周りには頼りになる人間がたくさんいます。つらい時編でもお伝えしましたが、自衛隊経験者の同期や対番、校友会、部屋等の上級生などは以前同じ経験をしているので対処法に精通しています。なので何かわからないことがあるときは何度でも聞きましょう。
ここで注意点が一つあります。それは質問を躊躇しないようにしてくださいという事です。中隊の内部で自分がほかの人間よりも下だという事がわかると「こんな自分が質問しても改善できないのでは」「相手に迷惑がかかるのでは」という考えに支配され質問を躊躇することがあります。そうなると負のスパイラルに陥りどんどん質問しにくい状況になります。そうならないためにも積極的な質問を心がけましょう。
言われたことは一回で行おう
防衛大学校生活は一回言われたことを何回で出来るかによって大きく変わってきます。例えば、着校の直後からプレス、着こなし,バウムクーヘン(毛布の整え方)の仕方を対番などの上級生から教わりますが、これを一回で覚える必要があります。なぜならそれ以降は基本的に誰も教えてくれない上に、できないと容赦ない指導が待っているためです。私の場合だとてっきり入校後にみんなを教室に集めて講習会で教えてもらうのかなーとか勘違いして最初に教えてもらったことをしっかり覚えておらず、まぁお察しの通りゴリゴリ指導されました。なので皆さんはこんな風にならないように言われたことを一回で出来るようにしましょう。
消灯後の時間を全力で活用しよう
私の対番曰く「消灯後の時間は無限」だそうです。実際、消灯後の時間は無限で基本的に指導教官の見回りさえ警戒していれば何でもできます(私の場合だと入校直後は上級生が見回りをしていましたが)。その時間ですべきことは何か… 大きく分けて二つあります。
翌日の準備に充てよう
防大生の一日はひたすらに激務です。一年生ならそれはなおさらで、名札の縫い付けだとか授業の課題だとか演練のための練習などやることは沢山あります。それを消灯後に行いましょう。ただし行うべきことは優先度があります。防大生の身分や学生綱領の暗唱はぶっちゃけ最初のほうだけしか演練が無いので少し下手でも問題はありません。しかし着こなし・プレスに関しては演練の後も日常的に指導を受けるのでこちらを優先して練習しましょう。私はこれが出来ずに消灯後もしこたま指導を受けることとなりました。
リラクゼーションの時間にしよう
防大生の一日は激務なだけでなくストレスフルです。特に平日は基本的に時間が出来ると次の点呼や点検に対する不安がこみあげてきてリラックスできたものではありません。なので消灯後にはリラクゼーションを行い翌日に備えておく必要があります。具体的な手段を申し上げると、YouTubeで好きな動画を見たり、クラシック音楽を聴いたり、ゲームをしたりといったことですね。これが出来ないと消灯後は翌朝の日朝点呼にただ怯えることとなるので、必ずしましょう。ゲームは脳死でプレイできるもので大丈夫です(チェスみたいな頭使うゲームは疲労困憊の脳に毒です)。ただしやりすぎると翌日に響くのでほどほどにしておきましょう。
休日は外出しよう
先ほど防大生の一日はストレスフルだから消灯後にリラクゼーションで解決しようと申し上げましたが、防大生にとって一番大きい日常的なリラクゼーションは別にあります。それが外出です。正門の外に出れば周りに上級生はおらず物理的にも精神的にも開放されます。この外出は本当に大事で、一週間の疲れをリセットして来週に備えましょう。
ではこの外出どのくらい大切か… それは何よりも優先してください。たとえどんなに着こなしが下手で練習が必要だったとしても外出しましょう。着こなしが下手でも翌週は(精神的に)潰れませんが、外出しないと翌週に潰れます。ちなみに71期の学生で、いろいろあって二週間も外出をせず頭がおかしくなった挙句脱柵をし、今では防衛大学校を辞めてウェブサイトの運営をしている奴がいるそうです。皆さんはこんな風にならないように少なくとも土日のどちらか一日は外出しましょう。
同期とコミュニケーションを積極的に取ろう
これは本当に大事なことです。このサイトで再三申し上げている通り、防衛大学校において同期は困難に立ち向かうための仲間であるだけでなく、卒業後は国家防衛という一つの使命を遂行するにあたって命を預けあう中になるのです。まぁほかにも同期の印象が昇任の査定に響くといったことなど同期と仲良くしておくべき理由はいろいろありますが、今回は防衛大学校で生き抜くために絞って同期とコミュニケーションをとり、生産性を上げることがいかに重要かをお伝えします。
これはあくまで私の私見ですが人々がコミュニケーションをとることで生産性を上げることが出来る理由は分業体制の確立と情報の共有にあると考えています。この二つは防衛大学校の中でも非常に重要になってきます(1年生にとって生産性の向上は死活問題)。では分業体制の確立と情報の共有はどのように学生舎で生かされているのでしょうか。
分業体制の確立
これは非常に簡単なことで二人の学生がいてどちらも靴磨きと金物磨きをしたいと考えているとします。それぞれが靴磨きと金物磨きを両方行っている状況と、片方が靴磨をしもう片方が金物磨きをする状況とでは効率が異なります。なぜなら皆さんお分かりの通り一人でどちらも行うと準備と片づけの手間が一回ずつ増えてしまうためですね。個人の能力向上による効率化も見込むことが出来ます。
また今回の場合は二人でしたがもっと多くの人数で分業することが出来れば、より多くの手間を減らすことが出来るようになるんです。しかしコミュニケーションをうまく取れていないと純粋にスケジュール調整が合わせることが出来なかったり、私情が邪魔をして分業がうまくいかないことが多々発生します。
情報の共有
防衛大学校で降りかかってくる困難に対処するには事前の情報がものを言います。なので出来るだけ多くの情報を早く知ることが必要です。そこで大事になるのが同期との情報の共有です。例えば一人が上級生に聞いたことをチャットアプリで共有すればそれ以外の同期が上級生に聞く手間を減らせます。これも積み重ねで大規模な量の無駄を減らすことが可能です。
まとめ
今回は私の失敗談をもとに防衛大学校生活で気を付けるべき事5選を紹介してまいりました。他にも防衛大学校生活で意識しなければいけないことはいくらでもありますが、それらは対番が詳しく教えてくれると思います。先ほど申し上げたように対番には遠慮なく聞きましょう。他にも質問・要望等あればこちらからお願いします。ではまた次の記事で
事後の行動にかかれ 分かれ
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