【入校生必見】防衛大学校の医療体制とは?| 4月に流行る防大病って?

日常生活

こんにちは。ソローク学生です。最近の日本は急に寒くなったりで安定しない気候になってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。こんな気候に晒されては体調を崩す方もいるかと思います。それは防大生も同じで体調を崩す学生も出てきます。しかし防大生は国家公務員なので医療処置は税金から賄われており、無料で治療を受けることができます。では防大生はどのような処置を受けることができるのでしょうか。今回は防衛大学校の医療体制を紹介していきます。特に最後の【髄膜炎について】は防大に入る方には必ず読んでいただきたいです。

受診までの流れ

先ほど申し上げた通り防大生は特別職国家公務員なので自衛隊の医療施設で処置を受けるときは全額が国の税金によって賄われます。そのため学生が受診したいからと言ってすべてを認めていては医療システムのキャパシティがパンパンになってしまいます。そこで体調不良者(主に熱がある)は体調が悪い旨を担当指導教官に伝え(できれば4年生の部屋長を経由したほうが良いかも)、許可と受信カードの検印をもらったのちに受信することが出来ます。

外出する際は自衛官診療所をは身分証と一緒に縛着(体にチェーンで縛り付ける)しています。それらが入ったカードケースを落とすことは数少ない未来のキャリアに影響を及ぼす事故の一つになるので気をつけましょう。

医務室

防大生が最初に受信するのは防大内部にある医務室になります。これは高校でいう保健室のようなものですが規模と設備が段違いです。医務室というからただの部屋ではないかと勘違いすることがありますが、医務室は建物全体を指す言葉で規模が本当に大きいものになっています(わかりにくいから医務棟とかにすればいいのに)。

設備に関しても病院においてあるような検査器具が複数の部屋に分かれて置いてあり、薬局も併設されています。受診可能時間は平日の0900から1130または1330から1700です。受診をして処置を受けたのち、診断区分(後で解説します)をもらいます。診断区分をもらった後、その旨を報告書で報告します(これ報告しないと厳しく指導されるので気をつけましょう)。蛇足ですが私の期から報告書が電子式になりとても使い勝手が良くなりました。次の章では医務室内部で対処できないもしく対処できない可能性のある患者の対処が行われる横須賀自衛隊病院について解説していきます。

横須賀自衛隊病院

横須賀自衛隊病院は1956年に自衛隊員の治療のため設立されました。横須賀市の田浦に位置しており、診療科目は現在16科目に及びます。医務室で処置できないと判断された防大生は、救急車のような見た目をしている車(いわゆる通院車)に乗ってこの病院に運ばれていきます。そこから先は普通の病院と同じで医務室でもらった通院連絡票を提出し、処置をしてもらう流れになります。

場合によっては入院することもあり、これも国費で賄われているので防大生の福利厚生っぷりを実感できますね。この際も医務室と同様に同期に報告を入れてもらいましょう(通院)。

診断区分

防大生にとって大事なのはどちらかというと病名よりこちらの診断区分な気がします。その診断区分とは何かというと簡単に言えば、あなた体調不良だからこういう処置をとってねというメッセージの事です。表にある診断区分バッチは胸に着け、上級生に診断区分をもらっていることをアピールする役割があります。具体的な診断区分は以下の通りです(太線は頻度の高いもの)。

割と軽い診断区分

診断区分内容診断区分バッチの色
軽業課業(授業)には出席するが、体育、課外活動(訓練等)は見学する。風邪や骨折などが当てはまる。この三つの中で一番多い
訓練休課業には出席するが、体育、課外活動は休む。ぶっちゃけ見たことない。
特装治療上異装の処置が認められる。通常は軽業と同時に付くことが多いため、軽業と同様になる。あんまり見ない。

重い診断区部

診断区分内容診断区分バッチの色
休務休務が明けるか次に受診するまでベッドで休み、早く体調を治す。寝室外で活動することは望ましくなく、報告書や食事は同部屋に頼む。
就寝緊急の休務のようなもので発熱したが、医務室が開いていない時にの区分になる。行動範囲、報告書、食事に関しては急務と同様。
通院医務室での治療で対処できない場合郊外の病院に通院する必要がある。ほとんどの場合が自衛隊横須賀病院だがまれに自衛隊中央病院になる事がある。
入院校外の病院で入院する。
入室医務室内部の部屋で入院する。
帰寮自宅での療養が必要であると判断されたときの区分で、家に帰り療養する。

防大病について

ここまでは防衛大学校の医療体制について紹介してまいりましたが、この章では防衛大学校で発生する防大病についてお伝えしましょう。防大病、それは特に4月の一年生が多くかかる病気で4月はこれによる休務と就寝の嵐になります。まぁその正体はありていに言えば風邪(急性上気道炎)です。彼らが風にかかる原因は大きく分けて二つあります。

一つ目は防衛大学校はそもそも衛生環境が良いほうではないためです。そもそも2000人が一か所に集められて生活すれば生活環境は悪化する上に、使用している毛布などが古い(確か私が使っていたのは2007年の防災毛布)のでホコリがすごい量発生することになります。

二つ目の理由としては過度なストレスに晒されているためです。そもそも1年生の中で寮生活の経験者はごくわずかです。それに加え防衛大学校特有の上級生の指導があるため精神がズタボロになって免疫が下がってしまいます。先ほども述べたように4月は防大病が大流行するので寝室ではいつも誰かがせき込んでいますし、全校生徒が集まる朝礼は咳の合唱が鳴り響き偉い人の挨拶どころではなくなっていました。

髄膜炎について

直近の防衛大学校の医療体制を語る上で外せない病気が一つあります。それが髄膜炎です。髄膜炎とはその名の通り髄膜に発生する炎症のことを指します。なぜこの病気が大事かというと以前防衛大学校内で髄膜炎による死者が出てしまったためです。2017年、入校したばかりの一年生の体調が急激に悪化し地元の病院に救急搬送され緊急入院となりました。彼は水球部に所属しており体格が良く屈強な方だったそうです。しかし彼は髄膜炎と診断され自衛隊中央病院に搬送されたものの、医師の方々の努力のかいもなく同年の七月にこの世を去ることとなりました。

髄膜炎は集団生活の場で多く発生し、歴史的に軍隊で起こりやすい傾向があります。そのため米国の士官学校では以前から髄膜炎ワクチンの予防接種は行われていました。しかしながら日本では髄膜炎の発生件数が減少していたため、防衛大学校の予防接種の対象にはなっていなかったのです。ですが、この事件を契機に防衛大学校では入校と同時に髄膜炎ワクチンを打つ体制が整えられています。その結果このような事件が再発する可能性は著しく低くなっている状態です。かくいう私も入校後に打ってもらいましたが(一回2万円強)。

まとめ

今回は防衛大学校の医療体制・重要な疾病の紹介をしてまいりました。基本的に国費がふんだんにつぎ込まれた防衛大学校の医療があれば学校生活を送る上で大きな問題はありません。何か問題があったとしても髄膜炎のようにその問題を修正していく体制が取られているので、これから入校する皆さんは安心して入校してください。質問・要望等あればこちらからお願いします。では次の記事であいましょう。

事後の行動にかかれ 分かれ

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