【防大質問】質問コーナ vol.1 | 私の思う防衛大学校に向いている人とは

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こんにちは。突然ですが今回は防衛大学校を目指す高校生のR君から質問が来ましたので回答していきたいと思います。今回来た質問は計三個でどれも有益な質問でしたので全部紹介します。防大に関して何か知りたいことがありましたらどんどん質問してくださると嬉しいです。質問と要望はこちらからお願いします。それでは質問回答へどうぞ。

上級生からの指導の具体的な内容は?

現在、基本的に指導は口頭で行うのが原則で体に触れられることはあまりありません。まぁ口頭だったとしてもなかなか威圧的で怖いんですがね。なので手を出すとかは一発アウトなのでそこは心配しなくても大丈夫です。もしそのようなことをされたら指導教官の部屋に行ってその旨を伝えれば対応してくれるはずでしょう。ではいつどこで指導を受けるのかということに関して解説します。

防衛大学校生は特別職国家公務員なので基本的に365日24時間働いているということになっていますが、いわゆる休日は休養日と言われ休みになっています。そのため上級生からの指導は基本的に平日に行われます。まぁ一部の上級生なんかは休養日にも指導をしてくることがありますが、本当に一部なのでみなさんが当たる可能性は低いと思います。では具体的な指導の内容をアカデミック期間のタイムスケジュールに沿って紹介します(日によって異なることがごあります)。

基本的に毎日ある指導

起床から日朝点呼まで

朝、0600に起床し0605までに中央ホールに集まり整列し日朝点呼を完了させる必要があります。この五分間で防大生はベッドを整え作業着をきれいに着る必要があるんですね。それを指導しに上級生が寝室に来ます。ここで基本的に彼らは「遅い」とか「協力しろよ」みたいな感じで声をかけるわけです。

清掃活動

0605に日朝点呼が終わるとすぐに一年生はバケツ、メラスポ、雑巾、ほうきを準備し自分の清掃場所に向かいます。その後清掃長と呼ばれる二年生に監督を受けながら掃除をします。もしかしたら動画で見たことがあるかもしれませんが、そこでは口頭で「ゴミ落ちてんだろ」とか「直角拭き丁寧にしろ」とか「疲れたふりするな」とか指導をします。

清掃後から朝食まで

その後朝食に向かうために隊舎の前に集合する必要がありますが、自分のベッドが上級生に荒らされている可能性があるのでそれを直しに自分の寝室に戻ります。このベッド荒らしも一つの指導に当たります。そして隊舎に向かうために整列した後は整列が遅いといったことを上級生から言われます。そして朝食を食べるところで解散するのですがそこでも何か問題のあった人間は上級生に呼び止められその問題点を指摘されます。

課業整列から教場まで

次の指導があるのは課業整列前にある容儀点検です。その場ではプレスラインやピカール、着こなしなどの不備をチェックされ指摘を受けます。その後課業整列をして教場に向かうわけですが、その際も周りに上級生が牧羊犬のようにいるので、腕の振りなどに関して「合わせろ」とか「下がってるぞ」などと指導を受けます。そして教場につくとまた問題のある学生は上級生に呼び出され指導を受けます。

夜の容儀点検

次の指導は午前の課業、昼食、午後の課業、校友会、夕食、自習時間の後にある日夕点呼の後にある容儀点検にあります。ここでは作業着の着こなしやプレス、短靴の光具合に関して指導を受けます。その後、消灯点検といってゴミ捨てや掃除などを行うわけですがそこでも何か問題があると指導を受けます。

日常的に色々指導される

具体的には書きませんでしたが、上級生とすれ違う際に敬礼がうまくできていないなどがあると指導を受けます。他にも色々なところでちょっとした指導があったりします。

たまに起きる指導

入室要領

上級生に呼び出されたり、何か要件がある際は当たり前ですがその上級生の部屋に入る必要があります。防大生は他の人の部屋に入る際は入室要領と呼ばれる部屋の入り方マニュアルに従う必要があります(四年生なんかは無視してるんですけどね)。それができないとその部屋にいる上級生全員からの指導の嵐が吹き荒れます。指導を受ける際はその人に対してまっすぐ体の正面を向けないといけないのですが、いろんなところから指導されるので毎回向き直さなければならずそこで正しい向き方をできないとまた指導が入るという指導スパイラルがあるので本当に困ったものです。

演練

上級生に自分の能力を確認してもらうことを演練といい、大体自習時間や自習時間に挟まれた休憩時間に行われます。ここでは歌や宣誓などを暗記しているかということを確認され、ここでもうまくできないと指導が入ります。演練それ自体も嫌なことではあるのですが、演練は上級生の部屋で行うので入室要領が伴います。そのため演練で指導される上に入室要領でも指導を受けることになるんですよね。特にこの演練では複数人で部屋に入ることが多いので、普段とは異なる複数人用の入室要領を行う必要がありそれにも苦労させられます。

私の思う防大に向いている・いない人は?

勝手ながら防大に向いている人を防大で生き残れる人と解釈させていただきますと、防大に向いている人は以下の四つの要素を持っているのではと考えております

言われたことをすぐに直す力がある

恐らくこの能力が一番大事だと思っています。防衛大学校は最初の方は特にですが急にやるべきことを伝えられ、それを実行することを求められます。しかし当然ながらほとんどの新入生はそれを行うことはできません。ですがそこで指摘されたことを直すことができれば今後その部分について指摘されることはなくなります。こんなふうに一年生は指摘されない部分を増やしていくことが仕事みたいなものですのでこの能力は非常に大切です。

周りと波風を立てずにコミュニケーションを取れる

基本的には防衛大学校では毎日同じ人に囲まれて生活します。そう行った環境ですので周りとのコミュニケーション能力は必須です。上級生とのコミュニケーションはほとんどが指導する・されるの関係で非常に分かりやすいものなのでいいんですが、大事なのは同期とのコミュニケーションです。これを怠ると普通に同期から侮辱されたり暴力を振るわれる可能性があるので本当にコミュニケーション能力は大切にした方がいいと思いますよ。指導教官は同期間のハラスメントには気付きにくいと思うので。

体力がある

体力があると何事も行いやすくなりますが、防衛大学校の生活にもそれは当てはまります。防衛大学校と体力を結んで考えると訓練に目が行きがちですが、年間における訓練期間はそこまで多くありません。しかしアカデミック期間でも体力は必須です。朝の掃除は息切れするレベル、移動は基本的に走りといった世界なので本当に体力は重要です。

知的好奇心が低い

本当にあくまで私見ですが知的好奇心が低い人は生き残りやすいと考えています。防衛大学校では一応授業は行われていますが復習する環境なんかが杜撰かなと思います。時間的制約もそうですが、学生寮全体で勉強しようという意識が低く相互に高め合える環境とも言いづらいです。なので勉強や読書が好きといった人たちには大変な環境だと思います。知的好奇心が高い人ほど防衛大学校では生きにくいんだなぁと私に思わせる事件がありましたので紹介します。

私が防大を辞める際に指導教官にとある言葉をかけていただきました。それは「うちの中隊では勉学面に関して、ソローク学生とA学生が引っ張っていくと思ったんだけど残念だな」と言うものです。ここで言う中隊とは中隊に所属する一年生を指しており私の場合は34人おりました。そう言われて私は防大を去りました。その後、同期のA学生に連絡を取るとなんと彼女も防衛大学校を辞めるたとのことでした。私の方はお世辞かもしれませんが、そうだったとしてもA学生の退校は私に知的好奇心が高い人ほど防衛大学校では生きにくいんだなぁと私に思わせるのに十分でした。34人の中から特定の2人が選ばれる確率って561分の1ですからね。

高校時代にしていた入試対策は?

この話をする前提としてお話ししたいのは私は防大を受験するにあたり一般・推薦入試の準備を行なったということです。そのため総合選抜に関してのお話はできないということ念頭においてください。それでは私がした入試対策を三つに分けてお話しします。

筆記試験に関して

私は理系の人間ですので、準備した科目は英語・数学・物理(化学にすることもできます)です。防衛大学校の筆記試験は特別難しいものではないので基本的にはこれらの教科を勉強する際は高校で習ったことを復習することをメインに行なっていました。問題集を解いたり単語帳を覚えたりといったごくごく普通のことの繰り返しです。過去問に関しては受験が近づいてきた夏以降に体を慣らすために6年分を解きましたが確実に受かるためにはもう少し早く行うべきだったと後悔しています。

一般入試では小論文を書く必要があったのでそちらに関しても対策をしていました。私の場合、周りには私には勿体無いほど優秀な教員の皆様がいらっしゃったので、社会の先生に小論文の添削を依頼しました。手順としては以下の通りです。最初に過去問から一つ問題を選び、実際に原稿用紙に回答を書いたものを問題と一緒に先生に渡します。その後添削していただいたものを受け取り、段落の区切り方や話題の選び方など様々なことについて指摘をしていただきました。次にその指摘を元に同じ問題に対して回答を作るという流れを二、三回ほど繰り返していました。それが終わると次の問題へと言う形式でしたね。自分で言うのもなんですが、これを行うことで情報の整理する力が格段に上がったなと感じています。

面接に関して

面談に関してはこちらの記事を読んでいただけるとわかりやすいのですが、基本的には予想される問題を入手しそれに対する回答を用意しておくと言うのが私のスタンスでした。具体的には紙に予想される質問を書き、その下に自分の回答を書いていました。ここで一番大事なことはストーリーラインを作っておくと言うことです。例えばただ単に防衛大学校でしたいことを考えるのではなく、防衛大学校を卒業して幹部自衛官になった後どのような活躍をしたいから防衛大学校で〜〜をしたいといったストーリーを考えておくと説得力もアップする上に、自分も説明しやすいです。そのためストーリーラインを意識した回答を心がけましょう。

また、地本(自衛隊地本協力本部)にいけば実際の幹部自衛官の方に面接の練習をしてもらえるのでぜひ行くことをお勧めします。

集団討議に関して

集団討議(ディスカッション)の対策は個人で行なったものは全くなく、全て地本で行いました。地本では私のような防衛大学校志望の高校生が地本に一同会して集団討議の練習をする機会がありました。私はそれに参加し練習を積んで、集団討議自体に慣れるようにしていました。練習会に参加しておくと基本的な流れや役職の知識を知ることができたり、役職の経験を積むことができます。これらの経験や知識は実際の集団討議で大きなアドバンテージになります。

まとめ

今回は防衛大学校を目指す高校生からの質問を三つ答えてきました。こういった質問は皆様に良い情報を与えるきっかけになる上、私自身が非常に嬉しいのでどんどんしてくださると嬉しいです。他の読者からの質問はこちらから。質問して下さればこのようなページを作ってまいりますので要望・質問はこちらからお願いします。ではまた次の記事で

事後の行動にかかれ わかれ

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