【入校生必見】防衛大学校生の外出とは | 防衛大71期生が解説

日常生活

突然ですが、学生さんに質問です。平日授業を受けている時にいつも頭の中で楽しみにしていることはなんでしょうか? そう、休日です(休日は一日中勉強で平日の方が楽だという真面目な学生さん 失礼しました)。それは防大生にとっても同様で、彼らは非常に外出を楽しみにしています。休日は数少ないリフレッシュタイムでもあるので、神奈川県でたくさんの防大生が見られます。今回はそんな防衛大学校の外出に関して紹介してまいります。

防大生にとっての外出とは

先ほども申し上げた通り防大生にとって外出は一週間に一回訪れる最大のリフレッシュチャンスとなります(平日外出を除く)。特に一年生にとっては重要で、次の一週間を耐えるのに必ず必要です。なので必ず土日のいずれかは外出しましょう。土曜日は2315、日曜日は2215にある日夕点呼までに戻ってくる必要があります。一年生に関しては翌週以降に備えてやることが沢山あるので、ほとんどが2000ぐらいには帰ってきています。

また、防衛大学校の内部で購入することが出来ない物品がいくつかあるのでそれらは外部で購入するか通販サイトなどで購入する必要があります。私の上級生は最初の外出などでそれらが安価に大量に売っている場所を教えてくださいました。

外出するための条件とは

防衛大学校では外出するのに条件があります。確か学生必携には当直幹部の許可を受ける必要があるなどと書いてあった気がしますが、ぶっちゃけ詳しく覚えてません。一年生にとって大事なのは上級生によって行われる外出マナー点検と外出点検です。両方とも似ていてわかりにくいですが解説していきます。

外出マナー点検

外出マナー点検とは一学年の4月に行われるもので防大生として外出するにあたって必要な知識を確認する試験であり、合格するまでは外出できません。合格基準は満点で、落とすと再試験となります。この試験は連帯責任で中隊の一学年全体が外出できなる事があるので絶対に落とせません。

この試験はペーパーテストで試験の前に上級生による試験の内容解説があるのでそれを覚えるか、内容解説に使われていたスライドをもらって覚える必要があります。実際の試験内容の具体例は以下のようになります。

  • 外出するにあたって必ず携行する必要のあるものは何か
    (身分証、自衛官診療証、緊急連絡先、財布、携帯、モバイルバッテリー)
  • 街中で政治的意見を求められたらどのように回答すべきか
    (立場上回答することが出来ません。その質問に関しては防衛大学校社会連携推進室に
     お問い合わせください。)
  • 防大生が品位を保つことや官品の管理の観点から制服で行くことがふさわしくない場所をすべて選べ
    温泉 ショッピングモール ゲームセンター ライブ会場 カフェ
    (温泉、ゲームセンター、ライブ会場)

外出点検

外出点検は外出する全生徒が外出のたびに受ける点検で、外出時版容儀点検といえます。容儀点検と同様にプレス、背中の張り、金具部分の輝き、靴の輝き、ホコリ、よごれがあると不備ありとして落とされてしまうわけです。また容儀点検と大きく異なるのは身分証と自衛官診療証が入ったカードケースを縛着(鎖や糸等で衣服に結び付ける)されているかを確認されます。時間は基本的に0750、0830、1300で最初の外出点検に落ちてしまった場合は次の外出点検までに直す必要があります。必需品に関しては下の記事で話しています。

余談ですが、点検官が不備ではなくアドバイスをくださることがあります。しかしそれはアドバイスであり不備ではありません。そのためその際は点検の最後に「不備者(は手を挙げよ)‼」と号令がかかりますが絶対に手を上げないようにしましょう。間違えて手を挙げてしまうとそれが誤りであると分かったとしても一部の上級生は外出に制限を掛けます。なので反応するのは「プレス不備‼」という風に不備という言葉が出たときのみです。

外出後の点呼

外出するための条件ではありませんが、土曜日や日曜日の帰校後には点呼があります。基本的には2315や2215の日夕点呼で外出点検と同様に身分証と自衛官診療証が入ったパスケースが縛着されているか確認されます。ちなみに日曜日の日夕点呼時に容儀点検がおまけで付いてくることがほとんどなので一学年は入念に準備する必要があります(一年生にとっては容儀点検がメインイベント)。

ちなみに2100ぐらいに躾点呼と言って人数を確認するだけの点呼があるときもあります。

防大生はどこに行くの?

上で紹介したようた面倒くさい点検を受け、晴れて門をくぐった防大生はどこに行くのでしょうか? 二年生以上には特別外出(通称特外)というものが許可されており、土曜日の夜に外泊することが出来ます(nを学年として一年間当たり5n+1回)。特外をとると実家に戻る人もいますが一年生には関係のない話なので普通外出に話を絞りたいと思います。

防衛大学校は神奈川県の横須賀市にありほとんどが神奈川県内に外出をします。また、少し足を延ばせば東京まで行くことが出来ます。神奈川県の中でも多くの防大生が向かう先が横須賀中央駅周辺です。横須賀中央駅は名前の通り横須賀市の中心で市役所などの都市機能が集約されています。また、海上自衛隊の護衛艦やアメリカの艦艇が停泊しており海軍の街として知られています。日用品、娯楽、食事などがある程度そろっていて防衛大学校の最寄り駅から10分くらいで行ける交通の便の良さが人気の理由の一つです。
↓横須賀中央駅

2024年の1月にスターバックス横須賀大津店がオープンしました。防衛大学校の裏門から歩いて行ける距離あるスタバで自衛艦が航行している様子を眺めることができるのでおすすめです。

お土産について

他の元自衛官の方が発信している情報によると、自衛隊の一般隊員では外出時に当直に対してお土産を買ってくる文化があるようです。防大にも似たような文化があります。防大におけるお土産は当直に対するものと部屋の上級生に対するものです。

当直へのお土産

当直へのお土産は何か当直に要件がある人が話を円滑に進めるために準備します。あちらもこのことをわかっているので、彼らは大隊内に張り紙を出し自分の好きなものを皆に伝えます。内容はお菓子や焼き鳥、特殊な方だと好きなタバコの銘柄を書く方もいらっしゃいますね。その中でも私が一番驚いた張り紙は『私はお土産いりません』でした。この防衛大の中でそんな方がいらっしゃるのだなぁとしみじみ感じました。ちなみに私はこのお土産を買ってきたことはありません。

部屋の上級生へのお土産

部屋の上級生へのお土産は彼らとのコミュニケーションを円滑に行うために準備します。具体的な手順としては、外出から帰ってきたらお土産を居室の真ん中にあるテーブルに置きます。その上で上級生の方にその旨を伝えると親切かと思います。ちなみにこのお土産が特に喜ばれる時期があります。それは新入生が入校した直後です。なぜなら、その時期は2年生がカッター訓練を行うため彼らは外出できなくなります。したがって必然的に外部のお土産は価値が上がり大変喜ばれるのです。しっかりと外出時時にお土産を準備して上対番を労わりましょう。

まとめ

最初にも申し上げましたが防大生(特に1年生)にとって外出は非常に大切になります。必ず土日のうちいずれかは外出するようにしましょう。純粋にリフレッシュするだけでなく同期と親交を深める機会につながります。今回は防大生の外出に関して紹介してまいりました。質問・要望等あればこちらからお願いします。ではまた次の記事で

事後の行動にかかれ 分かれ

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