こんにちは。ソローク学生です。皆さんは防衛大学校という単語を聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか?おそらく多くの人が厳しい、規律が多い、筋肉お化けといった事を連想すると思います。私も入校前はそのようなイメージばかりでした。
しかし一回入ってみると事前のイメージとは異なる点があったり、意外とこんなところもあったんだという新しい防大の一面を発見することもありました。そこで今回は私の感じた防衛大学校の理想(偏見)と現実をお伝えします。
見えない椅子には座らされない
これは某漫画の影響によるものですが、防大では指導があるたびに集会室に集められ空気椅子をさせられるものかと考えていました。しかし時代の流れからかそのような制度は廃止され、指導を受けるときの基本の姿勢は不動の姿勢(気を付け)または休めです。
目の輝き不備・全部不備なんてものはない
これも某漫画の影響になりますが勝手ながら目の輝き不備・全部不備におびえる生活を送ると思っていました。ですが、そんなことはなく見えない椅子と同様に時代の流れで廃止されています。基本的に何か不備事項があれば個別に「プレス、着こなしおよび短靴不備」と指摘してくれるのでそれを直すことが出来れば問題なく生活できます(私はそれが出来ずに苦労しましたが)。
最初の訓練からかっ飛ばすわけでは無い
防大に入ると最初に1週間ほど春季定期訓練(通称春季定訓)を受けることとなります。私は勝手にその段階から「ハイポート(装備を持って走る)10キロいくぞっ」的なものかとイメージしていましたが全然そんなことは無く、集合の仕方・歩き方・銃を持つ方法などを教育をされます。まぁ私の中隊は比較的穏やかな部隊で、ほかの中隊は武器を持って少し走る程度はしていましたが、激しくてもその程度です(それでもキロ単位で走るとかではない)。
しかし、穏やかだったからと言ってその分価値が低いものかといえばそういうものでもありません。一つ一つの項目に多くの時間が割けるだけでなく行動の理由や注意点などに関する知識を深めることが出来ます。私の訓練を担当していた小隊指導教官の実際の経験を交えて話された全ての武器の取り扱いやそれに通ずる銃口の管理に関する講和は印象的でよく覚えています。
いじめ・パワハラ等はほとんど無い
自衛隊・防大のいじめ・パワハラ体質はたびたびニュースになりますが、少なくとも防衛大学校内部では頻繁に起きるものではありません。メディアはそもそもセンシティブな報道をしやすい傾向がある上に、防衛大学校という閉じられた環境に関する報道になれば偏ったものになるのはある程度しょうがないことといえます。彼らは防衛大学校の僅かな一部分をまるで全体にあるように報道しているのです。
あったとしても対処する措置が取られますし、最近はそんなこと自体がどんどん減っています。いじめ・パワハラを受ける可能性可能性なんてものはほぼゼロですので安心して入校してください。
授業をそんなまじめに受けていない
入校前は防衛大学校の広報の授業中の動画を見て、やっぱ士官候補生ともなればこのくらい勉強に集中しているんだなー思っていましたが、現実はその通りではありません。基本的に教場の半分は授業に参加していない状態で、数人しか参加していないなんてこともあります。これは税金の無駄遣い編でも解説しましたがほとんどの生徒が学生舎の疲れで寝ているか、ゲームをしているかの2択になります。
また、1年生の中でも指導的立場になる留年生(いわゆるoo.5期生)が率先して眠るので遠慮なく新1年生は一緒に寝ます。どっかの誰かも戦争は社会とか国家から孤立してるもんじゃねぇからなんて言ってたんだけどなー 教養の勉強必須なのに… 悩ましいですね。
自習時間はそんなに確保できない
防衛大学校のホームページを見ると一日2時間から4時間の自習時間が確保されているという風に書かれたいますが少し疑わしい内容ですね。基本的に自習できるのはアカデミック期間(非訓練期間)の夜の自習時間になります。時間は1930から1940の70分と2050から2200までの70分つまり合わせて140分になります。そのような時間はあるものの集金・アンケート・物品の受領をしなくてはならない上に2210から始まる日夕点呼(容儀点検のオプション付き)に心臓がバクバクで勉強どころではない状態です。
士官の量だけではなく質の確保は喫緊の課題なので何とかしてもらいたいところです。まぁ試験が近くなると消灯後に延灯と言って勉強する時間が確保できたりするのですが、そんなことしたら翌日の授業に響きますし健康的にも悪いことこの上ないですよね。テスト前に徹夜するより普段から勉強する体制を整えとけばいいのになぁというのが正直な感想です。
ミサイル用のシェルターは無い
若干ネタになりますが、私は実は「防大の地下にはミサイル用のシェルターがあるのでは? 士官の卵が集まる場所やしな」なんて昔は思っていました。まぁそんなことは無く普通の学校のようにJ-アラートが鳴った時の行動に関しては特に指示されていませんでした(実は隠されていて非常時には伝達がかかるのかもしれませんが)。
まとめ
今回は防衛大学校の理想(偏見)と現実をお伝えしてまいりました。これは私がいた71期の私が所属した部隊の話なのでほかの期別や隊では異なることが十分にあり得ます。この点はご了承ください。また、他にも防衛大学校に関する質問・要望等あればこちらからお願いします。それではまた次の記事で
事後の行動にかかれ 分かれ
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