【入校生必見】防衛大学校以外にもある自衛隊の入り方 | 2023年度生が解説

関連知識

こんにちは。防衛大学校の入校まであと2ヶ月を切りましたね。各々すべきことをして未来に備えてください。CURIO WEB読者の皆さんがそうなるとは思いたくありませんが、何かしらの理不尽で防衛大学校をさることになってしまうことがあります。その後、私の場合は自衛隊から去りましたが防衛大学校を退職したからといって自衛隊に関わることができないというわけでもありません。普通の隊員として自衛隊にはいってもいいわけです(実際私は教官にそう勧められました)。そういうわけで防衛大以外にもある自衛隊の入り方を伝授します。大学生をやりながら自衛隊に入るという選択もあるので最後まで読んでくれると嬉しいです。給与等に関しては給与法によって定められますが、たびたび改正されるので数字は目安とお考えください。

自衛官候補生

お勧めな人

自衛官候補生は短期間自衛隊に入りたいかつ、ザ・自衛隊なことをしたい方にお勧めです。任期ごとに契約を更新があり、任期満了後は再び勤務を継続するか退職するかを選択できるのが大きな特徴です。

身分・待遇

身分は特別職国家公務員となり教育が終わると二士の階級が与えられます。先ほども申し上げたように任期制で契約更新があることが特徴で、最初の任期は陸上自衛隊が一年九か月、海上・航空自衛隊は二年九か月です。ただし二期目以降の任期は陸海空どちらも二年になっています。また、宿舎は無料で食事、被服、寝具類も支給または貸与されます。ざっくりとした給与は以下の通り。また一般的な給与に加えて特例退職手当が魅力です。

自衛官候補生手当(毎月)142,000
自衛官任用一時金(ニ士に昇格時)221,000
二士に任官後の初任給(高卒)179,200
二士に任官後の初任給(大卒)188,800
特例退職手当(1任期で辞める場合)約58万円(陸上) 約95万円(海上・航空)
特例退職手当(2任期で辞める場合)約145万円(陸上) 約151万円(海上・航空)

生活

自衛官候補生は陸海空の幅広い分野・職種で働き、生活はザ・自衛隊的なものといえます。小銃を持って行軍する方がいたり、レーダーとにらみ合う方がいたり、給料や物資の計算をする方がいます。生活は当直などを除けば健康的なのではないでしょうか。

将来

自衛官候補生は任期ごとに更新する必要があるため、任期満了すると再び自衛隊で働くか退職して一般企業に就職・大学に就学することを選ぶことが出来ます。再就職のための技能訓練や対策講座も行われており退職後の支援の充実度が嬉しいです。ただし再び自衛隊に入ることを希望しても一定の階級に行くと昇任試験があり、合格できないと自衛隊に残ることが出来ないといったことがデメリットの一つです。

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一般曹候補生

お勧めな人

一般層候補生はザ・自衛隊なことをしたいかつ、長い間自衛隊にいたいという方にお勧めです。なぜなら一般曹候補生は自衛官候補生と異なり終身雇用が原則となるためです。

身分・待遇

身分は特別職国家公務員となり、二士の階級が与えられます。最短で二年九か月にに士長になった際の選考を終えたのち階級の曹が与えられます。宿舎は無料で食事、被服、寝具類も支給または貸与されます。初任給は184,300円(高卒)193.900円(大卒)で手当(いわゆるボーナスは期末手当に含まれる)、年一回の昇給、休暇などがあります。

生活

一般曹候補生は自衛官候補生と同様に、陸海空の幅広い分野・職種で働いています。やはり銃を持って行軍する方や、レーダーとにらみ合う方、給料や物資の計算をする方がいます。こちらも当直等を除けば健康的な生活をすることが出来ます。また、任期制の隊員に比べて終身雇用が原則なため将来設計が立てやすく安心して生活できる点が魅力です。

将来

終身雇用が原則と説明しましたが、途中で退職することも可能です。その後の人生では職種・職域によりますが職務遂行に必要なため取得した資格を用いて一般企業などで働くことが可能になります。ただし身分は特別職国家公務員のため自分の都合と部隊の都合が合わず,すぐにやめられない可能性があるため注意する必要があります。もちろん定年まで勤めあげることもできるので人それぞれのキャリアプランを立てやすい自衛隊への入り方かと思います。

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幹部候補生

お勧めな人

幹部候補生は大学(院)を卒業していて、部隊の核となる幕僚や指揮官になりたいという方にお勧めです。指揮官を目指すのならば防衛大学校と並んでメジャーな選択肢になります。

身分・待遇

身分は特別職国家公務員で、与えられる階級は曹長です。一年間、幹部候補生学校で学んだ後三尉の階級が与えられます。宿舎は無料で食事、被服、寝具が支給または貸与される点は一般的な自衛官と同様ですが、幹部になるとその待遇は大きく異なります。具体的には基地や駐屯地の外に住みやすかったり、幹部限定の士官食堂なるものがあったりします(最新の護衛艦ではスペース節約のため廃止されたようですが)。初任給は修士課程修了者等以外が230,300円、修士課程修了者が247,300円、院卒者試験合格者が251,300円です。こちらも各種手当、年一回の昇給、休暇などの待遇があります。

生活

幹部候補生学校を卒業すると幹部として勤めることになります。つまり最初から部隊の長になるわけですね。そのため実際に部下を理解し、仕事を割り振り、上からの指示をこなす能力が求められる上に、その活動に見合った責任感が重要となります。重労働ではありますが自分の努力で部隊の業績や雰囲気を向上することが出来ると大きな達成感を得られること間違いなしです。一点注意したいのは幹部は転勤が多く遠方になりがちなので一定の範囲内に住みたいと考えている方には不向きです。

将来

幹部に関しても途中で退職する方や定年まで勤めあげる方がいます。途中退職をしたとしても幹部候補生学校や幕僚の教育課程などで学んだ知識や部隊を率いてきた経験を生かして一般の企業でも十分活躍することができます。定年まで自衛官として働き続けた場合は、一軍を指揮するいわゆる高級幹部や自衛隊の総大将である統合幕僚長を目指すことも可能です。定年退職後も大企業の顧問や政府や地方公共団体の重役として働かれている方もおられます。

陸上海上航空各幹部候補生学校ホームページはこちらから

公募・医科歯科幹部

お勧めな人

医師や歯科医師といった免許を持っている方や他にも何か技術を持ち一定期間の業務経験を持っている方にお勧めです。自衛隊総合採用案内のパンフレットにも乗っていないくらいマイナーではありますが何か能力を持っている方にはとても有効な入り方でしょう。

生活

幹部として任官したのち、持ち合わせた技術に適する部署に配属されそのまま自衛隊幹部として働きます。医師をしていた方が医官として任官して院長になった例もあるようです。一般的な技術職でも十分活躍できるので是非応募してみてはいかがでしょうか。

公募幹部の公式サイトはこちらから 医科歯科幹部の公式サイトはこちらから

航空学生

お勧めな人

当たり前ではありますが、パイロットを目指す方にお勧めです。たまにパイロットになりたくて防衛大学校に来る人がいますが、パイロット適正(通称p適)を通過してうえで要員の割り振りもクリアする必要があるので絶対にパイロットになりたいという方は航空学生を志望しましょう。

身分・待遇

身分は特別職国家公務員で二士の階級が与えられます。航空学生に関しても宿舎は無料で、食事・衣服・寝具等が支給または貸与されます。初任給は184,300円で年一回の昇給、各種手当、休暇等の待遇があります。

生活

航空自衛隊と海上自衛隊で多少異なりますが、まずは入った直後から敬礼、規律などの基礎教育や数学・物理・政治などを学びながら体力を錬成します。その後は共通の操縦訓練が行われたのち、固定翼操縦士、回転翼操縦士、戦術航空士の訓練などを分かれて行います。一通り訓練を終えたら部隊での勤務や幹部候補生学校への入校があります。

将来

将来は海上自衛隊や航空自衛隊の航空機に乗って働くことになります。航空機は多種多様で輸送機や戦闘機、ヘリコプターなどでのパイロットになることが可能です。幹部になりやすい職種なため長年勤めあげると航空群の指令や航空団の指令などになることが出来ます。また飛行機パイロットは国家資格のため民間の航空機の操縦をすることも可能です。そのため民間のパイロットにもいくらか航空学生出身の方がいらっしゃるようです。いわゆる割愛を調べてみるのもいいかと思います。

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防衛大学校生

お勧めな人

防衛大学校がお勧めの方は高校を卒業していて(見込み含む)将来幹部自衛官になりたいかつ出来るだけ早く自衛隊の空気に慣れておきたいという方にお勧めです。また防衛学を学びたい方や陸海空にまたがる人脈を作りたい方もお勧めです。どのような人が防衛大学校にむいているかは下の記事に書いておきましたので是非チェックしてください。所在地は神奈川県横須賀市です。

身分・待遇

身分は特別職国家公務員で階級は持たず学生の身分になります。そのため、事に臨んでは危険を顧みず身をもって責務の完遂に努める必要はありませんが、全力を尽くして学業に励む必要があります。宿舎は無料であり、衣服や食事の貸与または支給があります。月131,300円の学生手当と一年で3.4か月分の期末手当が支給されます。授業料の納入はありません。

生活

このサイトでさんざん話しているので割愛させていただきます。

将来

卒業すると曹長に任官され陸海空自衛隊の各幹部候補生学校に入校し、幹部に必要な知識を涵養し能力を養います。自衛隊の幹部になるにあたって防衛大学校は花形で今まで多くの幕僚長を輩出しています。

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陸上自衛隊高等工科学校

お勧めな人

陸上自衛隊高等工科学校がお勧めな人は中学を卒業していて(見込み含む)将来自衛官になりたいかつ出来るだけ早く自衛隊の空気に慣れておきたい人にお勧めです。なんといっても環境への適応がしやすい高校生のうちから自衛隊の文化に慣れておくことで将来の活動に有利に働きます。所在地は神奈川県横須賀市です。

身分・待遇

特別職国家公務員であるものの防衛大生と同じで階級を持たず学生になります。宿舎は無料で、制服の貸与や食事の支給があります。月に117,900円の給料と年3.4か月分のボーナスが与えられます。普通の高校と同様に週休二日制です。授業料の納入はありません。

生活

一般的な高校と同様のカリキュラムを受けつつ自衛隊の専門的なスキルを習得していきます。純粋な戦闘訓練や戦技訓練だけでなくサイバーシステムやロボティクスについても学びます。また部活動も充実しておりボランティア活動などもしているようです。高等工科学校の友人から聞いたのですが、どうも高等工科学校の中ではジュースが飲めないらしくプロテインで楽しく乾杯していたとのことです。

将来

卒業後は部隊に行く人間もいれば防衛大学校のような教育機関に入る人間もいます。周りの環境に適応しやすい高校生のうちから自衛隊の空気に慣れておくことで部隊に行っても防衛大学校に行っても周りの人間を引っ張っていけるリーダー的な存在になることができます。

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防衛医科大学校生

お勧めな人

医療分野を通して自衛隊の活動に関与したい方にお勧めです。防衛医科大学校には医学科と看護学科があり、それぞれ自分の向いているほうを選ぶとよいでしょう。卒業時には医師国家試験または保健師・看護師国家試験を受けることで医官または看護官になることが出来るので、医師や看護師を目指す人にもお勧めです。所在地は埼玉県所沢市です。

身分・待遇

特別職国家公務員であり学生の扱いになります。月131,300円の学生手当と一年間で3.4か月分の期末手当が支給されます。宿舎(防大生より一人当たりのスペースは広いようです)は無料で制服は貸与、食事は支給されます。授業料の納入はありません。

生活

一般的な医師・看護師と同様の教育を受けつつ病院実習等を行います。また、基本教練・訓育・部隊実習など自衛官として活躍するための教育も受けます。他の教育機関と同様に学友会活動と呼ばれるクラブ活動があり体を動かすことが可能です。本棚も大きく一人当たりのスペースも広いので、勉強にしっかりと集中することが出来るかと思います。

将来

医学科と看護学科はどちらも卒業後に陸海空自衛隊の幹部候補生学校に入校し一般的な士官候補生とは異なる医学生向けの幹部教育を受けます。その後は部隊勤務や研修を行い医官・看護官として活躍することが出来ます。一般的な医療関係者には経験できない災害派遣や国際協力での医療経験を積むことが出来るのが大きな魅力です。

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予備自衛官補

お勧めな人

一般的な社会人や学生をしつつ自衛隊の活動にかかわりたい方にお勧めです。予備自衛官補は三年間で50日間の教育訓練招集に応じる義務があるのでそれに応じることが出来れば特に大きな問題はありません。自衛隊にかかわるには一番身近でそこまで厳しくもないと聞いているので最初に応募するのならば予備自衛官補をお勧めします。

身分・待遇

身分は非常勤の特別職国家公務員になります。教育訓練中の宿舎は無料で戦闘服の貸与や食事の支給があります。また教育訓練の日当は8,500円で非課税で支給されます。医務室なども教育訓練中に無料で利用することが出来ます。

生活

教育訓練中は宿舎で生活をし訓練を行います。訓練内容は精神教育や格闘・戦闘訓練などの陸上自衛隊の基本となる訓練を行います。防衛法や武器を携行したままの格闘、小銃の射撃・分解など防衛大学校にいた私も経験したことのない訓練が目白押しです。ちょっと羨ましい・・・・

将来

予備自衛官補の教育を終えると予備自衛官になることが出来ます。予備自衛官になると予備自衛官補にあった訓練への招集だけでなく防衛・国民保護・災害召集に応じる義務があります。先日あった能登半島自身の際は予備自衛官の募集がかけられていました。

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技術貸費学生

お勧めな人

現在大学や大学院に在籍していて、将来は自衛隊の幹部として働きたいという気持ちを持っている方にお勧めです。そもそも技術貸費学生とは自衛隊が未来の幹部候補を見つけるために作られた制度で、技術貸費学生になる事で政府から毎月54,000円の補助を受けることが出来ます。技術貸費学生になるには特定の技術(弾道ミサイル対処、宇宙分野、航空機ほかにも様々な分野)を習得している必要がありますが、十分有用な制度といえるでしょう。

将来

大学または大学院を卒業すると陸海空自衛隊の各幹部候補生学校に着校し、防衛大学校を出た生徒とともに学び訓練します。その後は幹部候補生学校に直接入った人間と同様に各自衛隊の幹部として活躍します。

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まとめ

今回は防衛大学校以外の自衛隊の入り方を解説しました(ちゃっかり防衛大学校も入っていますが)。皆さんがそうならないよう祈っていますが、もし退校することになった場合は是非ともこのページを見返して、検討してみてはいかがでしょうか? もちろんそうならないことが一番なので、まずは自分にできることをすることが先決ですね。質問・要望等ありましたらこちらからお願いします。ではまた次の記事で

事後の行動にかかれ わかれ

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